Interview
京都府立医科大学附属病院
京都府京都市
病床数 : 1,055
看護記録を変えるという大きな変革を成し遂げることができるか不安でしたが、職員全員で取り組み達成することができました。
-
01導入のきっかけ
導入の理由は大きく二つあり、一つは、「高度急性期医療の発展」により、患者状態の変化が速く、今までの看護記録方式では患者の状態の変化に適応しなくなってきたことです。もう一つは、看護記録にかかわる時間が非常に膨大であったことです。
具体的には、看護問題ごとに記載する方式だったので、勤務終了後にまとめて記載することが一般化していました。そのため、タイムリーに看護記録ができず、情報を共有することが困難でした。また、看護計画修正や評価をすることは、すでに退院している患者さんのこともありました。 そして、叙述式で記載する形式であるため、長文になる傾向があり、勤務交代時には膨大な記録を読む必要もありました。
-
02導入による変化
観察・ケア項目を選択式で記載できるため、ベッドサイドでの記録が可能となり、タイムリーな情報共有が可能となりました。部署によりばらつきはありますが、導入直後から逐次入力率が高値を示しています。
記録に係る時間調査では、入院時の記録に要する時間を項目ごとに導入前後で比較しました。(情報収集・計画立案・経過表の記録です)どの項目も時間が減少しました。
時間外勤務の減少も認め、かつ、時間外勤務の中での記録時間の占める割合は、57.2%から46.4%となり10.8%減少したことがわかりました。
スタッフからは、「思ったより、操作は簡単で、慣れると入力もスムーズ」、「とにかく、入院直後の記録時間が大幅に減少できた」という声があります。
-
03導入を検討している病院に向けて
看護記録を変えるという大きな変革を成し遂げることができるか不安でしたが、職員全員で取り組み達成することができました。 時代の変化に対応し、新たなことへチャレンジできたことは職員の自信にもつながりました。 また、看護記録をデータとして、活用するというあらたな段階へと進んでいます。
-
導入にあたり大変だったこと
看護記録の変更が必要であることを職員全体で理解できるよう、導入前には、看護職員はもとより、院内の多くの部門とも十分に調整と説明の時間を確保しました。 特に、当院の記録運用マニュアルを作成する際には、「チームコンパス」というツールをいかに当院で活用するのかをスペシャリストとともに検討しました。 その結果、看護職員が一丸となって取り組むことにより、看護記録の円滑な移行を達成することができました。